One Point English

タイプの仕方

年間10,000件の校正や翻訳に携わっておりますと、英文タイプの規則から逸脱したファイルをたくさん受け取ります。
研究者の方々は英文タイプの仕方などは原則習いませんので、出力した体裁で問題なければOKと思っておられる方がいらっしゃいます。実際、「ダブルスペースという規定がある」と、各行の後ろに全部リタンマークをつけて送ってこられる論文もあります。
段落の開始でも、タブにするか、インデントにするならよいですが、スペースを挿入している方もおられます。タブとスペースが混じっている論文もあります。

1.段落の頭のスペースについて

投稿規定ではこんなふうに書かれています。
Use tab stops or other commands for indents, not the space bar.
スペースは使わないで、タブ、インデントを使用すること。

2.英語論文(海外投稿用)に、全角はありません。

投稿規定ではこんなふうに表示されています。
Do not use double-byte characters.

全角文字って?と思われる方もいらっしゃいますので、少し説明をします。
日本語は全角文字と半角文字を使用しますので、(日本語版の)ワードは全角文字をサポートしていますが、欧米のワードでは半角仕様ですから、全角フォントがありますと、文字化け/不具合がおきることがあります。弊社の校正士はNativeですから、いただいたファイルをそのまま送ると全角文字が□とか、四角にペケが入っている文字になったりします。

<フォントを選択すればよいと思ってはいませんか?>

全角フォントで入力されたら、timesなどの英語フォントへの変換ができないので,それを半角フォントで入力し直す作業が必要です。受領する論文では、カンマ、セミコロン、コロン、かっこ、記号 (≦ 等)、数字、スペース等が全角入力になっている事が多いです。

<全角フォントと半角フォントの見分けかた>

半角の α(この文字を選択すると、Timesとかcenturyのフォントになります)
全角のα(この文字を選択すると、MS明朝とか、日本語のフォントになります)。
印字したら同じように見えても、± 、:、(  )、℃、 %、 にも全角と半角があります。
前述の通り、全角で入力した後、英語のフォントを選んでも、フォントは変わりません。入力し直す必要があります。

<半角フォントで入力する方法>(お使いのPC環境により異なります)

「℃」はMS明朝などには登録されています(全角)。この状態で入力してしまえば、フォントを変えても半角には変換できません。
ワードですと、挿入→記号と特殊文字の「記号と文字」タブで入力します。このとき「フォント」を「現在選択されているフォント」「英数字用のフォント」でなく、「Times」などの英語フォント名にしたほうが無難です。「゜」これを選択(反転表示)のうえ「挿入」してから「C」を選択すれば℃になります。
「±」もここから挿入すれば半角文字です。

<日本語と英語で記号が異なる場合もあります>

まるで囲った数字① は、原則使用しません。1)や(1)や(a) などに置き換えてください
以上の記号 ≦ は、 ≤ を使ってください。以下の記号 ≤ も同様です。

3.スペースについて

AMA (Americal Medical Association)Manual of Styleの本によるとa ± b, a = b, a > bなどの数式にはスペースが入ります。
メートル(m)秒(sec)など、数字と計量単位の間にはスペースが入ります。
℃や % の前にはスペースは入れません、また1:5などのように比例の中のコンマの前後にもスペースは入れません。
(投稿先によって異なることがあります。また、アブストラクトなどで文字制限があるとき、a ± bだと3wordsになりますが、a±bだと1wordなので、つめて表現している著者も多くいらっしゃいます。)

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