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研究者向けSNS「ResearchGate」で研究者間のつながりや議論はどう変わるのか

Facebookに代表されるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が注目されていますが、「研究者向けSNS」とも言えるのが「ResearchGate」です。現在では、会員数は全世界で700万人を超え、ノーベル賞受賞者45名も登録しています。2013年には、ビル・ゲイツらから合わせて3500万ドルの資金を調達しています。ResearchGateによって、研究者間のつながりや議論はどのように変わるのでしょうか。

独自指標を用いてコミュニケーションする

ReseachGateは無料で利用できますが、所属先のメールアドレスで登録する必要があります。これは、メールアドレスにあるドメイン(@example.ac.jpなど)で、研究施設に所属しているかどうかを判断するためです。

ResearchGateでは、他の研究者をフォローして、最新の研究成果を確認できます。プロフィール画面では論文リストを作成でき、論文の披引用回数も表示されます。また、ResearchGate内で論文が何回クリックされたか、論文をアップロードしたときには何回ダウンロードされたのかもわかります。

ResearchGateならではの特徴として、「Impact Point」と「RG Score」という指標があります。Impact Pointは、論文リストにある論文のインパクトファクターの合計値などから算出します。RG Scoreは、ResearchGate内で他の研究者とやりとりした回数、フォロワーの数などから算出します(いずれも詳細な計算方法は不明)。

つまり、Impact Pointは研究者としての実績、RG ScoreはResearchGateにおける利用状況を意味しています。これらの数値を考慮して、ResearchGate内で連絡をとる、論文について議論するといったコミュニケーションを行います。

研究成果を議論する新しい場になるか

ResearchGateの目的は、研究者間のつながりを促進させるだけでなく、研究アイデアや成果を共有するところにあります。それは、論文のアップロード、ダウンロードを自由にできることからも推測できます(ただし、論文の著作権は基本的にはジャーナルにあるので、ジャーナルの規約に従ってアップロードする必要はあります)。いずれは、ネガティブデータをオープンにしたり、実験結果をディスカッションしたりする場となることを目指しています。

インターネットが発展したことにより、研究成果の議論は学会や論文に限定されなくなってきました。ResearchGateなどの研究者向けSNSは、研究成果を議論する新しい場となる可能性を秘めているといえるでしょう。

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