Information

投稿アカデミー(9)論文投稿における「Highlights(ハイライト)」の書き方とポイント

近年、多くの学術雑誌では論文投稿時に「Highlights(ハイライト)」の記載が求められています。これは、検索エンジンでの可視性を高め、論文の内容を読者や研究者に素早く伝えるための工夫です。ハイライトは、読者のみならず、機械(検索エンジン)にも読まれることを想定した「エレベーターピッチ」のようなものです。

ハイライトとは?

•論文の核心的な成果や新規性、使用された新しい手法などを簡潔に表現した箇条書き。
•通常3~5個(Cell Pressでは3~4個)、1つあたり85文字以内(スペース含む)で記載。
•掲載論文のオンラインでの発見性(discoverability)を向上させる役割を果たします。

ハイライト作成のポイント

1. 短く、明確に

各ハイライトは85文字以内で、簡潔に主要な発見や方法を表現しましょう。読者が一読して研究の「何が新しいのか」「なぜ重要なのか」がわかる内容にするのが理想です。

2. 検索されやすい用語を含める

研究分野でよく使われるキーワードを含めることで、検索エンジンに拾われやすくなります。一般的かつ専門性のある言葉をバランスよく取り入れましょう。

3. 新規性やインパクトを明示

「何が新しいのか」「どんな発見があったのか」「どのような手法を用いたのか」など、論文の強みを端的に伝えることが重要です。

4. 結論や全体像の要約ではなく、“要点”をピックアップ

ハイライトはアブストラクトや結論の要約とは異なります。すべてを網羅するのではなく、特に注目してほしい点をピンポイントで抽出しましょう。

ハイライト例(仮想研究テーマ:CKD患者の自己管理行動)

•Cognitive factors influencing self-care behaviors in CKD patients were analyzed
•Higher self-efficacy was associated with better dietary management behaviors
•Self-care behaviors were quantified using a newly developed questionnaire
•Regional differences in self-care behavior patterns were identified

まとめ

ハイライトは論文の“顔”とも言える存在です。読み手の目に留まりやすいよう、戦略的に選び抜いたキーワードと明確なメッセージで作成しましょう。上手に活用することで、研究成果の拡散と新たなネットワーク形成につながる可能性も広がります。