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ジャーナルを評価する新指標「Google Scholar Metrics」

ジャーナルを評価する指標として有名なものに、トムソン・ロイターが発表する「インパクトファクター」があります。これに対抗するかのように、Google Scholarはジャーナルの独自指標「Google Scholar Metrics」を2012年から提供しています。今回は、Google Scholar Metricsの定義と特徴を紹介します。

Google Scholar Metricsで使われる指標

Google Scholar Metricsは、Google Scholarページ内の「統計情報」をクリックしたページで確認でき、画面の左で言語、ジャンルごとに分けて表示できます。例えば、「英語」内の「健康科学、医療科学」が医学系ジャーナルです。ジャーナルは「h5-指標」順に並べられ、「h5-中央値」が併記されます。

h5-指標は、過去5年間(現在表示されている2015年版では2010年から2014年まで)の掲載論文数と被引用回数に基づいて算出されます。例えば、「健康科学、医療科学」ランキングトップの『The New England Journal of Medicine(NEJM)』のh5-指標「328」とは、2010年から2014年までの間に『NEJM』に掲載された論文のうち、被引用回数が328回以上の論文が328報以上あることを示す数値です。

h5-中央値は、被引用回数の多い順に論文を並べ、h5-指標の数値を上位の採用枠としたときの被引用回数の中央値です。『NEJM』の場合、被引用回数の多い上位328報で、被引用回数の中央値が「520」です。

概要としては、h5-指標は、論文の量(掲載数)と質(被引用回数)を同時に評価するもの、h5-中央値は被引用回数が特に多い掲載論文の質を評価するものです。

なお、h5-指標の数値をクリックすると、被引用回数の多い順に掲載論文を確認できます。さらに論文のタイトルをクリックすると、論文のウェブページへ移動できます。

インパクトファクターと比較すると意外なことがわかる

そこで、最新のインパクトファクターとGoogle Scholar Metricsを比べると、おもしろい特徴が見つかります。

インパクトファクターでは、いわゆる「世界五大医学ジャーナル」が上位に並びますが、Google Scholar Metricsではこれらに加え、がん分野の『Journal of Clinical Oncology』、循環器分野の『Circulation』『Journal of the American College of Cardiology』が割り込んできます。

インパクトファクターは過去2年間の被引用回数を対象にしますが、Google Scholar Metricsは過去5年間を対象にすること、そして計算方法の違いによって、このような差が生じると考えられます。今回の比較の場合、がん分野や循環器分野では、3~5年前の論文も頻繁に引用されやすいことが示唆されます。

複数の指標を比べることで、ジャーナルや分野の特徴を浮き彫りにできる可能性があります。Google Scholar Metricsを、指標のひとつとして参考にしてはいかがでしょうか。

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