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算出方法によって評価するものが異なる引用数指標

ジャーナルを評価する指標として最も有名なものはインパクトファクターですが、論文の被引用数をもとに算出する引用数指標(citation metrics)は他にも多くあります。そのいくつかを紹介します。

ジャーナルの評価指標

Clarivate AnalysisのJournal Citation Reportsでは、通常のインパクトファクター以外にも、次の指標を見ることができます。

・5年インパクトファクター
通常のインパクトファクターが過去2年間に掲載された論文が対象であるのに対し、5年インパクトファクターは過去5年間に掲載された論文が対象です。重要な論文は掲載後3年以上経っても引用されやすいため、通常のインパクトファクターよりも質が重視されていると考えられています。

・即時性指数(Immediacy Index)
掲載された論文がその後1年間に引用された平均の数。5年インパクトファクターとは真逆の考え方で、ジャーナルに掲載された論文がいかに早く引用されやすいかを評価する指標です。

・アイゲンファクタースコア(Eigenfactor Score)
総被引用数の多いジャーナルからの引用に重み付けしたものです。インパクトファクターはその定義上、論文掲載数(分母)が少ないマイナージャーナルが高くなりがちという欠点があります。アイゲンファクタースコアはその欠点を克服し、論文掲載数が多くてもメジャージャーナルからの引用数が多ければ高スコアとなるよう工夫されたものです。

他にジャーナルを評価する指標に、エルゼビア社が提供するCiteScore、グーグル社が提供するh-5指標があります。

エルゼビア社による新しいジャーナル評価指標「CiteScore」

ジャーナルを評価する新指標「Google Scholar Metrics」

論文と研究者を評価する指標

論文を評価する指標には、SNSやブログからの被引用数を示すオルトメトリクスがあります。

オルトメトリクス: 論文の社会的注目度を評価する

また、研究者を評価する指標として、以下のものがあります。

・h指標(h-Index)
被引用数がh以上の論文が少なくともh本あることを示す数値です。研究者の論文数と質の両方を評価できるといわれています。

・g指標(g-Index)
被引用数がg2以上の論文が少なくともg本あることを示します。被引用数の多い論文を重み付けすることで、h指標よりも論文の質による差を生み出しやすいという特徴があります。

ジャーナルや論文、研究者の評価は、たった一つの指標で決まるわけではありません。それぞれの指標の特徴を知り、何を評価しているか把握することが大切です。