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学術論文OA化を効率よくモニターするサービスCHORUS!その仕組みとは?

近年、学術論文をオープンアクセス化する動きが高まっています。誰でも閲覧可能なオープンアクセス化だからこそ、論文作成にあたってのコンプライアンスやエビデンスは厳重に守られなければなりません。

そこで開始されたCHORUSサービス。CHORUSサービスは、オープンアクセスされた論文を様々な角度からモニタリングするものです。

では、CHRUSはどのような仕組みのサービスを行っているのでしょうか?詳しくみてみましょう。

CHORUSの需要

現在、様々な分野でオープンアクセスジャーナルが増加しております。論文には作成時のコンプライアンス遵守や最新の明確なエビデンスを基盤とすることなどが求められます。コンプアイアンスとエビデンスの厳守は論文の信頼性を高めるといっても過言ではないでしょう。

一方、論文作成にあたっての研究には多額の資金が必要であり、それらを支援する助成機関は、オープンアクセス化された論文において自機関の助成金が有効な役割を果たしたか知る必要があります。それによって、助成金の交付者や金額の変更などを含めた在り方が変わってくることもあるのです。

このような学術論文のオープンアクセス化が急激に高まる世の中を反映して、2014年にアメリカの非営利組織がスタートさせたサービスがCHORUSです。

CHORUSの仕組み

CHORUSは、査読済みの論文のDOI、助成機関、ライセンスの有無などを含めた情報を既存のインフラを使って公開するサービスです。論文に対する信頼性の評価として、データがSCHOLIXでリンクできる割合、ORCID IDの獲得率などがグラフ化して表示されます。このような情報を公開することで、その論文自体の信頼性を知るとともに、論文作成の際に注意すべき事柄に気付くことも可能です。

また、助成機関に対しては論文のコンプライアンスをモニター・トラッキングできるツールを用意し、助成金交付が有益か否か、助成金の受給者が機関の定めるコンプライアンスを守っているか検証することが可能となります。

CHORUSの今後の展望

CHORUSはアメリカ生まれのサービスですが、日本でも助成機関・受給機関ともに導入が開始されています。

論文のオープンアクセス化を行う上での面倒な作業の重複を減らし、コンプライアンス向上に寄与するCHORUSの導入は、どの分野であっても今後益々増えていくことが予想されます。論文を執筆される方は、CHORUSが提供するオープンアクセス論文を一読し、どのようなイメージで論文が公開されていくのかぜひ知っておきましょう。

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