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論文検索サービスSciencescapeでキーワードをフォローする

論文の検索は、日々の研究に欠かせない行為です。論文の検索サービスとしては、アメリカ国立医学図書館の国立生物工学情報センター(NCBI)が運営する『PubMed』が医学分野では有名です。Googleの論文検索に特化したサービス『Google Scholar』も、以前に紹介しました。

今回紹介する『Sciencescape』は比較的新しい論文検索サービスですが、インターネットの最近のトレンドを取り入れたユニークな仕様となっています。その特徴を紹介します。

ニュースキュレーションアプリのような機能

Sciencescapeを利用するには、メールアドレスでアカウントを作成するか、Facebookアカウントで連携させる必要があります(無料)。

Sciencescapeの大きな特徴は「フォロー(Follow)」です。これは、キーワードを登録すると、そのキーワードに合致する論文がサイト内に自動で表示されます。他の検索サービスでは、毎回キーワードを入力しなければいけませんが、Sciencescapeはワンクリックでキーワードを検索できます。登録したキーワードによる検索結果は「Stream」と呼ばれています。

また、検索結果から個々の論文をクリックすれば、その論文の要旨をSciencescape内で読むことができ(全文にアクセスするための各ジャーナルサイトへのリンクもあります)、気になる論文は「Library」を呼ばれるフォルダにブックマークできます。Libraryはメールで共有できるので、新しく入った学生に読ませたい論文をLibraryにまとめておいて、新人が入ってくるたびにメールで論文を読むよう指示するという使い方もできるでしょう。

さらに、その論文に当てはまるキーワードが表示され、新たにそのキーワードをフォローでき、内容が類似する他の論文を表示するレコメンデーション機能もあります。このあたりは、スマートフォン向けのニュースキュレーションアプリに近い機能といえるでしょう。通常のキーワード検索だけでは見つからなかった論文が見つかるのかもしれません。

独自指標で論文を検索

Sciencescapeでは、「Eigenfactor」という独自の指標を使って、検索を行っています。 Eigenfactorは、ある論文が引用された回数だけでなく、引用の引用(いわゆる「孫引き」)も含めて、芋づる式に引用回数を計算して導き出した指標です(詳細はEigenfactor Metricsに記載
https://sciencescape.org/eigenfactor)。

そのため、どうしても昔の論文が検索のトップに表示されやすくなります。このときには、新着順に並べたり、1ヶ月以内に掲載された論文のみに絞り込めたりするなど、表示順を工夫する必要があります。

現在、Sciencescapeは医学・生物学のみをカバーしています。検索エンジンが独特なSciencescapeですが、レコメンデーション機能は他のサービスにはないものです。試す価値はあるサービスといえるでしょう。

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