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論文がアクセプトされるための文章術

前回は論文がアクセプトされない理由を、ジャーナル選択、フォーマット、研究デザインの観点から紹介しました。今回は文章執筆(ライティング)に注目し、アクセプトされるためのコツを紹介します。

短い文を心がける

正確に表現しようとすると、どうしても一文が長くなってしまいがちです。しかし長文は読みにくく、逆に読者の理解を難しくさせる要因になります。一文はできるだけ短くすることを心がけましょう。

文を短くする方法はいくつかあります。不要な形容詞を削除する、直接的な表現にしてシンプルに主張する、複数の文に分ける、などが挙げられます。これらの方法は、学術論文に限ったことではありません。日本語の文章にも当てはまるので、文章作成術に関する一般書籍を参考にするのも有効です。

パートごとで注意すべきこと

学術論文の中でも、今回は方法(methods)、結果(results)、考察(discussion)で注意すべきことを紹介します。

・methods
methodsの記載不足を原因とする修正はかなりの割合を占めます。使用した機器や試薬のメーカー名や型番、手順などは漏れなく記載しましょう。基礎研究であれば、試料の処理時間や条件なども細かく記載し、実験を再現するのに十分な情報となっていることが必要不可欠です。臨床研究では、研究デザイン(症例のクライテリア、エンドポイントなど)を明記します。条件が複雑な場合には、図表を入れることも検討しましょう。

・results
学術論文の中でも、論理的な構成が重視されるパートです。文章だけでなく、図表も含めてスムーズに読めることを心がけましょう。resultsの記載では、実験の結果と、そこから直接的に導き出される結論のみに留めます。先行研究も踏まえた解釈はdiscussionで行います。

図表は、可能な限り生データを掲示しましょう。画像処理したときなどは、必ずその旨を記載します。詳細なデータや動画は、supplemental dataとして提出することも一つの手です。

・discussion
最初の一文でメインポイント(特に重要な結果、明らかになったこと)を明確に述べましょう。discussionでは、拡大解釈や誇張表現をせず、先行研究を含めて事実に基づいた考察を意識しましょう。また、自分の都合のよい解釈に留めるのではなく、あらゆる可能性について考察する必要があります。

なお、先行研究の紹介が不足していると、レビュアーから指摘され、リジェクトやメジャーリバイスを受けやすくなります。論文の投稿直前まで、最新の情報を集める努力を怠らないことも大切です。