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クリエイティブ・コモンズ

日本においては、何かしらの作品を作ると同時に著作権が発生し、他者が著作権を持つ作品は、無断で使用することはできません。現代のインターネット時代においては、オープンアクセス化が進んでいます。この著作権の存在を前提としながら、作品の新しい流通の仕方を可能にするシステムについてお伝えしたいと思います。

クリエイティブ・コモンズとは?

クリエイティブ・コモンズとは、作品を他者が利用できるような自由な流通を図ろうとする活動のことで、その活動を行う国際的非営利組織の名称でもあります。本部はアメリカにあり、50以上の国や地域が連携する、国際的なプロジェクトです。

著作権とはそもそも、作品が勝手に模倣されないよう保護するための権利です。しかし、クリエイターの中には、自分が作った作品を皆と共有することで、新しいものが生み出されることを望む人たちが多く存在しています。特に現在のインターネット時代においては、そのような楽しみ方が広がりつつあります。

そこで、このよう自由な流通を求めるクリエイターのために新しい著作権ルールとして、クリエイティブ・コモンズが提供しているのが、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスというものです。このライセンスは、著作権を前提としながら、作者が安心して作品を流通できる画期的なライセンスシステムです。作品の作者は、このシステムによって「この条件を守れば作品を自由に使って構いません」という意思を簡単に表明することができ、他者は、ライセンス条件の範囲内で作品を再利用することができます。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスを利用するには

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスは、法律や技術的な専門知識がなくても、自分の希望するライセンスの条件を組み合わせることで、インターネットを通して作品を世界へと発信することができます。

そのライセンスの条件とは、作者の多くが希望すると思われる「表示」「非営利」「改変禁止」「継承」の4つの条件で、分かりやすくアイコンで表示させることができます。作者は、この4つのアイコンを組み合わせることで、作品の利用条件を発信することができます。

・◆表示・・・作品のクレジットを表示すること
・◆非営利・・・営利目的での利用をしないこと
・◆改変禁止・・・元の作品を改変しないこと
・◆継承・・・元の作品と同じ組み合わせのCCラインセンスで公開すること
オープンアクセス(OA)での論文出版の場合、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスでは、その著作権は出版後も著者が持つことになります。出版と同時に、ダウンロード、共有、再利用の権利が与えられるなど、ライセンスの制限は比較的少ないというのが特徴です。ライセンスを選ぶ際は、帰属の表示が重要です。利用者が著作物のクレジットを表示することを求めるものを選びましょう。

オープンアクセスにおいて、ユーザーにとって利用条件が分かりやすいシステムであり、研究論文の再利用性の効果を高めることができる、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの採用が注目されているのです。

参考資料

クリエイティブコモンズ ジャパン ライセンス
https://creativecommons.jp/licenses/
同上 FAQ
https://creativecommons.jp/faq/
情報管理 2016 年 59 巻 7 号 p. 433-440
水野 裕ら 「オープンアクセスとクリエイティブ・コモンズ採用における注意点:開かれた研究成果の利活用のために」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/59/7/59_433/_article/-char/ja/

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