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2020年1月リニューアル予定のPubmed~改定点を詳しく分析

医学研究に携わっている方であれば誰もが利用している「Pubmed」。いわずと知れた、学・生物学文献の世界的なデータベースです。2000万件以上のデータが無料検索・閲覧できるため世界中の科学者に広く利用されています。
そのPubmedが2020年1月に新たな機能を追加して生まれ変わることが予定されています。そこで今回は、Pubmedの特徴と新たな機能について詳しく解説します。

Pubmedとは?

Pubmedとは、アメリカ国立医学図書館(NLM)の一部門である国立生物工学情報センター(NCBI)によって1997年から提供が開始された書誌情報データベース「Medline」の無料検索システムです。1946年以降に登録された生命科学に関する2000万件を越える文献を検索することが可能で、毎年70万件ほどの新規文献が追加されているとのこと。当然ながら最新の論文を閲覧することも可能です。多くは英語論文ですが、他言語のものもあり、世界中の論文がデータとして納められています。

Pubmedは世界のどこにいても無料でアクセスすることが可能です。アカウント登録すれば、検索した論文を長期間に渡って保存したり、検索ワードを保存することで新たに登録された論文の中から該当するものを自動的にピックアップしたりする機能を使用することができます。また、キーワードや書誌情報など様々なパターンの検索ができ、使い方も簡便なため使いこなせば文献検索にかかる労力を大きく軽減することができるでしょう。

リニューアルされる新たな機能とは?

Pubmedはこれまでも様々なリニューアルが行われ、ユーザーに役立つ様々な機能が追加されてきました。今回追加が予定されているのは、検索結果のCSV形式による保存、検索結果・検索詳細の参照機能とフィルター設定による絞り込み、アカウント(My NCBI)内の文献保存先の追加などです。

CVSとは、いくつかの項目をカンマ「,」で区切ったテキストデータのこと。この形式での検索結果の保存が可能になることで、次回以降の検索ワードの設定がしやすくなることが考えられます。また、アカウント内の機能を充実させることで、文献検索がしやすくなるだけでなく、文献管理機能も強化され、より一層医学研究の場で活用されていくことが期待されます。

そのほかにも、他のデータベースとの統合に伴って検索結果がNLMcatalogやMeSH Databaseなど他のデータベースにリンクされ、より多くの文献を検索することが可能となるのも大きな改定点です。

なお、これらの機能はすでに「Pubmed Labs」で公開されており、新たな機能試すことができますので、ぜひ試用してみて下さい。

日々進化していく文献データベースを利用しよう!

インターネットが普及した昨今。今や自宅や研究室にいながらにして、新旧問わず世界中の文献を入手することが可能です。それは同時に、医学研究を行っていく上でも最新の文献を常にチェックするのが当然の時代になったことを意味します。

世の中にはPubmedをはじめ、多くの文献データベースがあります。それらはいずれも新たな機能が続々と追加され、改良が重ねられているのが現状です。その新機能をうまく使いこなすこともこれからの医学研究には必要な技術といっても過言ではないでしょう。

参考文献

PubMed.gov

国立国会図書館

  • 英文校正
  • 英訳
  • 和訳
※価格は税抜き表記になります