One Point English

日常にひそむ英語のニュアンス:「気づく」「わかる」「期待する

私たちが何気なく使っている「気づく」「わかる」「期待する」といった言葉。英語にも対応する表現がありますが、実はその意味や使い方には微妙な違いがあります。一見シンプルな言葉でも、英語に置き換えると「なるほど、そういう違いがあるのか」と感じることが少なくありません。今回は、日常会話でも頻出する3つの日本語を取り上げ、英語でどう表現されるのかを掘り下げてみましょう。

「気づく」にもいろいろある?

recognize

「あ、これ知ってる!」という瞬間の気づき。人ごみの中で知人の顔を見つけたとき、昔聞いたメロディーに懐かしさを覚えたときなど、「記憶と一致する」ことで“気づく”のがこの表現です。

realize

物事の本質や意味にハッと気づくときに使います。「やっと彼の言っていたことの意味がわかった」など、時間をかけて理解に至るような“気づき”がイメージされます。単なる発見ではなく、「理解を伴う気づき」ですね。

notice

五感を通じて変化に気づくとき。たとえば「髪切った?」や「部屋が明るくなったね」など、小さな違いを感じ取るときに使われます。「見る」「聞く」などの感覚に基づく気づきがポイントです。

「わかる」は、どう“わかる”かがポイント

find out

調査や偶然などによって“事実が明らかになる”ときに使います。「彼が犯人だとわかった」「明日の天気を調べてわかった」など、「調べた結果、判明した」というニュアンスです。

understand

単に情報を知るだけでなく、背景や気持ちまで含めて“理解する”という意味。“I understand.” は「わかりました」と訳されますが、そこには「あなたの言いたいことが腑に落ちた」という温かい理解の感覚があります。

「期待する」は、種類で使い分けよう

hope

「うまくいくといいな」というポジティブな願い。結果がどうなるかわからない未来に対して、明るい気持ちを込める表現です。
例:I hope it will be sunny tomorrow.(明日は晴れるといいな)

expect

「そうなるはず」と思っている時の期待。予定や予測に基づく“根拠ある期待”で、少し現実的な響きがあります。
例:I expect the train to arrive on time.(電車は時間どおりに来るはずだ)

predict

科学的・統計的・経験的に「起こるだろう」と予測する場合。
例:Experts predict a rise in temperatures this summer.(専門家は今年の夏の気温上昇を予測している)

estimate

数値やデータをもとに「おおよそ〜くらいだろう」と見積もる表現。
例:We estimate the cost to be around $5,000.(費用はおよそ5,000ドルと見積もっています)

まとめ

日本語の「気づく」「わかる」「期待する」は、英語にするとそれぞれの「気づき方」や「理解の深さ」「期待の根拠」によって使い分けが必要になります。英語を学ぶ上で大切なのは、単語を1対1で覚えることではなく、「どんな場面で・どんな気持ちで使うか」を感じ取ることですね。

  • 英文校正
  • 英訳
  • 和訳
※価格は税抜き表記になります