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研究論文の見せ所は図表!図表作成のコツ

研究者にとって、自分の研究成果を業績として残しておくための最も理想的な手段は、学術雑誌に論文を掲載することです。
科学論文の場合は特に、データ量そのものが膨大である場合が多いため、論文の中においては、主に結果をうまく説明するためにも図表というものは欠かせない存在となります。

本文を簡潔明瞭なものにするためにも図表を活用

図表を使ってうまく結果をまとめ、その図表を参照しながら説明すれば、本文の表現が簡潔なものとなり、回りくどい表現を避けることができます。読者も、図表を見ただけで何を表しているのかが理解でき、内容の把握がしやすくなります。

学術論文によっては、投稿原稿のページ数などに制限があるものも多いため、本文のボリュームをできるだけ節約するためにも、図表に分かりやすく結果などをまとめることは大変重要な作業となります。が、いずれの場合も投稿規定をよく読んで、それぞれの雑誌に合致したフォーマットで図表を作ることが肝心です。

分かりやすい図表を作成するためには

<表を作成する場合>
一般に、データとして得られたものが数値であって、それらの数値を全て表示する形で説明する必要がある場合は、表にまとめるのが理想です。しかし、表というスペースもまた限られたものであることは確かなので、文字を入れる際にはできるだけ簡潔明瞭な書き方で記入する必要性が出てきます。表現を簡潔にしたり、さらには自分自身で独自に略記号を考えて、それを表の中に入れる場合もあります。
自分で設定した略記号を使う場合は必ず本文中かあるいは表の脚注に、それぞれの略記号の意味を簡潔に記入しておくことが必要です。

一方で、この低下を食い止めるヒントとなるかもしれない報告もあります。それが、日本の各研究機関について正規化したWFCで評価したものです。正規化したWFCとは、ある研究機関における2012年から2017年のWFCを、エルゼビア社のスコーパス(Scopus)データベースに収録されている同機関からの自然科学論文数で割ったものです。ある研究機関が発表した全論文のうち、WFCの計算対象となる主要68誌(引用されやすいジャーナル)に掲載された指標とも言えるものです。

<図を作成する場合>
発表したい結果が数値ではなく、写真やイラスト(グラフなども含む)などの場合は、図で説明するのが一般的です。図を作成する場合の心構えも、表を作成する場合の注意点とほぼ同じではありますが、いくつか付け加えておくべき注意点もあります。
1)発表予定の図、写真、イラストが、自分あるいは共同研究者の手で撮影または作成されたものであれば問題ないのですが、他人が作成したものあるいは他のサイトなどから引用する場合は、必ずその図の権利者からの許可を事前に受ける必要があります。
2)写真の場合は学術雑誌によって画質や画像ファイル形式などが予め指定されているはずですので、まずその規定に従うようにしてください。
3)自分達で写真を撮影する場合は、捏造の可能性を疑われないようにするためにも、コンピューター上で画質の向上化などといった画像処理を行うのは慎むべきです。最初から、カメラなどの撮影機材の設定を目的に合った形に調整し、良好な画像を一次出力で得られるような撮影を行うことを心掛けましょう。

自分自身が原著論文を書くことに備えて、日頃からレベルの高い研究論文を時間のある時などにチェックし、先人研究者達の図表の作り方などを大いに参考にすると良いでしょう。

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