英文校正のポイント:冠詞(a, an, the)の使い分け
英語を母語としない書き手にとって、冠詞の使い分けは難関のひとつです。日本語には冠詞が存在しないため、つい抜けてしまったり、逆に不要な場面で入れてしまったりします。しかし、医学論文や学術文書では、冠詞の有無が文章の正確さに直結します。
1. 不特定のものを指す “a / an”
名詞が最初に登場し、まだ読者がどの具体物か分からないときには “a” または “an” を使います。
•✅ A patient was admitted to the hospital with chest pain.
(ここでは「ある患者」が初めて登場しています)
医学論文での例
•✅ A 45-year-old man presented with fever and cough.
2. 特定のものを指す “the”
すでに登場したものや、文脈上特定できるものには “the” を使います。
•✅ The patient was immediately treated with antibiotics.
(前の文で登場した「その患者」を指しています)
医学論文での例
•✅ The results indicate that the treatment was effective in most cases.
3. 冠詞をつけない場合
不可算名詞(advice, information, equipment, research など)や複数形を一般的に述べるときには、冠詞をつけません。
•✅ Further research is needed to confirm the findings.
•✅ Doctors should have access to updated guidelines.
4. 意外に間違いやすいポイント
•❌ An evidence shows…
•✅ Evidence shows…(“evidence”は不可算名詞なので冠詞をつけません)
•❌ The cancer is one of the leading causes of death.
•✅ Cancer is one of the leading causes of death.
(「がん」という疾患全般を指すときは冠詞をつけません。“the”をつけると「その特定のがん」という意味になってしまいます)
まとめ
• “a / an” = 初めて出てきた「ある一つ」
• “the” = すでに特定されたもの
• 冠詞なし = 不可算名詞や一般的な複数形
冠詞は小さな単語ですが、論文の読み手にとっては「意味の正確さ」を左右する大きな役割を持ちます。意識して練習すると、表現がぐっと自然になります。









